【建設コンサルタント×採用広報】社員が会社の未来を考える組織へ。広報チームづくりから始めたエフウォーターマネジメントの実践事例

2026年10月1日 SNS広報,実績,採用広報

「新卒採用を強化したいけれど、なかなか若い人に会社の魅力が伝わらない」

「会社のことを発信したいけれど、広報を担当できる人がいない」

「いつも社長が決めて、社員が動く。もっと社員から意見が出る会社にしたい」

滋賀県内の企業の経営者や採用担当者の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。

特に、建設業や製造業、建設コンサルタントなどの専門性の高い業種では、仕事の内容が一般の方に伝わりにくく、採用に苦労している企業も少なくありません。

今回ご紹介するのは、滋賀県大津市に本社を構える株式会社エフウォーターマネジメントさんの採用広報・組織づくりの取り組みです。

エフウォーターマネジメントさんは、上水道や下水道を中心に、地域の水環境を支える建設コンサルタント会社です。

私たちが普段当たり前のように使っている水道。その安全を支えるために、上下水道の計画や設計、調査などを行っています。

社会にとって欠かせない仕事ですが、普段の生活の中で、その仕事内容を詳しく知る機会はあまりありません。

そこで、しがとせかいでは、採用広報を強化するために、ホームページやSNSで会社の魅力を発信する取り組みを始めました。

ただし、今回の事業で最初に行ったのは、ホームページの制作でも、YouTubeの撮影でもありません。

最初に取り組んだのは、社員が自分たちの会社の未来を考える「広報チーム」をつくることでした。

一人ひとりへのヒアリングから始め、会社のミッション・ビジョン・バリューを整理したビジョンマップを制作。

その考え方をもとに、ホームページ、会社案内パンフレット、YouTube、ショート動画などを展開してきました。

さらに現在は、ビジョンマップの考え方を人事評価の仕組みにもつなげていく取り組みを進めています。

今回の記事では、単に採用広報の制作事例をご紹介するだけでなく、社員が主体的に会社のことを考え、情報発信を行う組織をどのようにつくってきたのか、その過程についても詳しくご紹介します。

仕事はある。でも、5年後・10年後を担う人材が足りない。

近年、建設業をはじめ、さまざまな業界で人手不足が大きな課題となっています。

特に、専門的な知識や技術が必要な業界では、経験を積んだ社員が多い一方で、20代や30代の若手人材を十分に採用できていないという企業もあります。

今は仕事がある。

経験豊富な社員もいる。

だから、現状の業務は問題なく進められている。

しかし、5年後、10年後を考えたときにはどうでしょうか。

専門的な知識や技術は、入社してすぐに身につくものではありません。

先輩社員から仕事を教わり、現場で経験を重ね、少しずつ一人前になっていきます。

だからこそ、今のうちから若い人材を採用し、育てていくことが重要になります。

仕事内容が伝わりにくい業界の採用課題

今回のエフウォーターマネジメントさんも、非常に専門性の高い仕事を行っている企業です。

上下水道の設計や水環境の建設コンサルタントと聞いて、具体的にどんな仕事をしているのか、すぐにイメージできる方は多くないかもしれません。

水道管の設計は、実際にどんな流れで進められるのでしょうか。

浄水場や下水道の設備には、どんな技術が必要なのでしょうか。

普段はどんな場所で働き、どんな人たちと仕事をするのでしょうか。

こうしたことは、実際に会社の中に入ってみないと、なかなかわからない部分です。

求人票に「上下水道の設計業務」と記載しても、その仕事の面白さや社会的な役割まで伝えることは簡単ではありません。

そこで、仕事内容をわかりやすく伝える採用広報が必要になってきます。

ただ、今回私たちが考えたのは、もう一歩先のことでした。

「会社の魅力を伝える前に、まず社員自身が会社の魅力や目指す未来を共有できているだろうか」

この問いから、今回の取り組みが始まりました。

実は、しがとせかいの代表が新卒で働いていた会社

今回のエフウォーターマネジメントさんとの取り組みには、少し特別な背景があります。

実は、しがとせかいの代表である中野が、大学卒業後に新卒で入社した会社が、エフウォーターマネジメントの前身である富二設計コンサルティング株式会社でした。

中野はこの会社で約3年間、上下水道に関する建設コンサルタントの仕事に携わっていました。

水道施設の管理や、浄水場などの水インフラに関わる仕事を経験した後、独立して会社を設立しました。

その会社が、現在のしがとせかいにつながっています。

当時は社員として働いていた会社。

その会社に、今度は広報や採用をお手伝いする立場で関わることになったのです。

再びつながったきっかけは、守山商工会議所の「ひとり広報教室」

再びご縁が生まれたのは、2024年に守山商工会議所で開催した「ひとり広報教室」でした。

しがとせかいでは、商工会議所と連携し、地域企業の広報担当者や経営者に向けたセミナーを企画しています。

このイベントを開催する際、かつて働いていたエフウォーターマネジメントさんにもご案内をお送りしました。

その案内メールに中野の名前があったことをきっかけに、総務担当の方がセミナーへ参加してくださったのです。

そこから、会社の採用や広報についてご相談をいただくようになりました。

どうすれば新卒採用を強化できるのか。

中途採用でも、会社に合った人材と出会えるようにするにはどうすればいいのか。

そして、専門的でわかりにくい仕事内容を、どうすれば社外の人にも伝えられるのか。

そうしたことを一緒に考える中で、採用広報の取り組みが始まりました。

ホームページをつくる前に、まず広報チームをつくろう

一般的に、企業が採用広報を強化しようとすると、最初に考えるのはホームページのリニューアルやSNSの開設ではないでしょうか。

採用サイトを新しくつくる。

社員インタビューの動画を撮影する。

Instagramで職場の雰囲気を発信する。

もちろん、どれも大切な取り組みです。

ただ、エフウォーターマネジメントさんでは、その前に考えたいことがありました。

それが、誰が会社の広報を考え、どのように意思決定していくのかということです。

社長がすべての方針を決めて、担当者が指示された内容を発信する。

こうしたトップダウン型の広報にも、意思決定が早いという良さがあります。

しかし、社員が自分たちの会社の魅力を考えたり、これからどんな会社にしていきたいのかを話し合ったりする機会は、どうしても限られてしまいます。

そこで今回は、会社の経営層と、これから会社を中心になって支えていく社員が参加する広報チームをつくることから始めました。

目指したのは、SNSの投稿内容だけを考えるチームではありません。

会社のこれからを考え、その考えを社内外に伝えていくチームです。

取り組み① 一人ひとりのヒアリングから、会社の未来を考える

広報チームをつくるにあたって、最初に取り組んだのは個別のヒアリングでした。

いきなりメンバーを集めて「これから会社のビジョンを考えましょう」と言っても、全員がすぐに自分の考えを話せるわけではありません。

特に、それまで会社の方針を経営者が中心になって決めてきた場合、社員が会社の将来について発言することに慣れていないこともあります。

そこで、当時の社長や、これから会社の中心になっていくメンバーなど、一人ひとりに話を聞くところから始めました。

会社のどこに魅力を感じ、どんな未来を目指したいのか

ヒアリングで大切にしたのは、会社の課題だけを聞くことではありません。

会社のどんなところに魅力を感じているのか。

仕事のどんな部分にやりがいを感じているのか。

これから、どんな会社になっていってほしいと思っているのか。

こうした部分を一つずつ整理していきました。

経営者には経営者の視点があります。

一方で、現場で働く社員には、日々の仕事を通して感じていることがあります。

若手社員には、これから会社で経験してみたいことや、成長していきたい方向性があります。

それぞれの立場で考えていることを聞くことで、会社として共通して大切にしていることや、これから取り組むべき課題が見えてきます。

また、いきなり全員の前で発言してもらうのではなく、個別に話を聞くことで、それぞれの考えを整理する機会にもなりました。

外部の立場だからこそ、聞ける話がある

社内だけでこうしたヒアリングを行うと、上司や部下という関係性が影響する場合もあります。

本当はこう思っているけれど、社長の前では言いにくい。

会社のことについて意見を求められても、何を話せばいいかわからない。

そんなこともあると思います。

しがとせかいでは、外部の立場から一人ひとりに話を聞き、出てきた意見を整理しながら、会社全体で共有できる形にしていきました。

単にアンケートを取るのではなく、社員の言葉から会社の魅力や課題を見つけていく。

このヒアリングが、次のビジョンマップづくりの土台になりました。

取り組み② 毎月の定例会議で、社員が会社の方向性を考える

個別ヒアリングを行った後は、広報チームでの定例ミーティングを始めました。

今回の取り組みでは、毎月必ず集まって話し合う機会を設けています。

そこで考えてきたのが、会社のこれからの方向性です。

単に「次のSNSで何を投稿するか」という話をするだけではありません。

会社はこれから何を大切にしていくのか。

社会に対して、どんな価値を提供していきたいのか。

社員が安心して働き、成長していくためには何が必要なのか。

そうしたテーマを、少しずつ言葉にしていきました。

社員が自分の言葉で、会社の未来を話す

今回、私たちが大切にしたのは、社長が正解を出す会議にしないことです。

経営者が会社の方向性を示すことは大切です。

しかし、社員がその方向性を自分のこととして理解し、行動につなげていくには、社員自身が考える機会も必要です。

そこで、広報チームのメンバーがそれぞれの考えを出し合いながら、会社のビジョンや大切にしたい価値観を整理していきました。

最初から、全員の意見が一致するわけではありません。

仕事に対して大切にしていることも、部署や立場によって異なります。

だからこそ、時間をかけて話し合う意味があります。

一人ひとりが発言し、その内容をみんなで考える。

そして、出てきた言葉を少しずつ会社の方針としてまとめていく。

その過程を通じて、広報チームが単に会社の情報を発信するだけではなく、会社のこれからを考える場にもなっていきました。

取り組み③ 社員の言葉から「ビジョンマップ」を制作

毎月の定例会議を通じて取り組んだのが、ビジョンマップの制作です。

ビジョンマップとは、会社が何のために存在し、どんな未来を目指し、何を大切にして行動するのかを、わかりやすく整理したものです。

今回のエフウォーターマネジメントさんでは、ミッション・ビジョン・バリューを中心に、会社の目指す方向性を一つの形にまとめていきました。

会社の理念を、社員自身の言葉にする

歴史のある企業には、長年大切にしてきた理念や考え方があります。

しかし、それが現在の社員にとって、どれだけ身近な言葉になっているでしょうか。

例えば、会社の理念を暗記することはできても、それを自分の仕事と結びつけて説明するのは難しいかもしれません。

そこで、今回のビジョンマップづくりでは、これまで会社が大切にしてきたことに加えて、社員一人ひとりの考えや、これから目指したい未来を整理しました。

最終的に、エフウォーターマネジメントさんでは、次のような言葉が掲げられています。

MISSION|みんなが使える水環境を次世代へつなぐ

VISION|何気なく水が使える社会をつくり、100年後の暮らしに安心を届ける

VALUE|人・技・安心

さらに、2030年に向けた将来像として、上下水道の建設コンサルタント事業で県内No.1を目指す方向性も示されています。

普段、私たちは蛇口をひねれば水が出る生活を当たり前のように送っています。

しかし、その当たり前を支えているのが、水道施設の設計や調査、維持管理などに関わる人たちです。

「100年後の暮らしに安心を届ける」という言葉には、現在の仕事だけではなく、将来の地域社会まで見据えた想いが込められています。

こうした言葉を経営者だけで考えるのではなく、社員が話し合いながら整理していくことに、今回の取り組みの大きな意味がありました。

ビジョンマップは、完成させることがゴールではない

ビジョンマップは、きれいなデザインにして完成させれば、それで終わりというものではありません。

会社の中で使われなければ、ただの掲示物になってしまいます。

大切なのは、ビジョンマップに書かれた言葉が、日々の仕事や会社の意思決定につながっていくことです。

そのために、今回のエフウォーターマネジメントさんでは、ビジョンマップを広報にも活用することにしました。

社内で考えた会社の方向性を、今度は社外にも伝えていく。

そのために取り組んだのが、ホームページやパンフレット、SNSの制作です。

取り組み④ ビジョンマップをもとにホームページをリニューアル

広報チームで会社の方向性を整理した後は、それを社外に伝えるためのホームページ制作に取り組みました。

ここで大切にしたのは、単に古いホームページを新しくすることではありません。

社員たちが話し合ってつくったビジョンを、求職者や取引先にも伝わる形にすることです。

例えば、会社が何を目指しているのか。

どんな仕事をしているのか。

どんな人たちが働いているのか。

入社した後には、どんな仕事や経験ができるのか。

こうした情報を、初めて会社を知る人にもわかりやすく整理していきました。

専門的な仕事内容を、わかりやすく見せる

エフウォーターマネジメントさんが行っている上下水道の建設コンサルタントは、一般の人にとってなじみのある仕事ではありません。

そこで、ホームページでは、会社のミッションや事業内容をわかりやすく紹介することを意識しました。

水インフラの仕事は、普段の生活の中ではなかなか目立たないものです。

しかし、水道は地域の暮らしに欠かせません。

その社会的な役割や、仕事に携わる人たちの想いを伝えることで、建設コンサルタントの仕事を知らなかった人にも、会社の魅力を知ってもらうことを目指しました。

社員紹介や採用情報にも、会社のビジョンを反映

また、採用を目的とした情報発信では、仕事内容だけでなく、実際に働く人たちの姿を伝えることも大切です。

そこで、ホームページでは、社員のインタビューや仕事の一日の流れ、採用情報なども組み合わせています。

求職者が会社について調べたときに、どんな人が働いているのか、どんな環境で仕事ができるのかを知ることができるようにしました。

単に採用条件を掲載するだけではなく、会社のビジョンに共感し、働くイメージを持ってもらえることを目指したホームページです。

取り組み⑤ 会社案内パンフレットも、採用広報に活用できるものへ

ホームページと並行して取り組んだのが、会社案内パンフレットの制作です。

会社案内というと、事業内容や会社概要、過去の実績などを紹介するものが一般的です。

もちろん、そうした情報も必要です。

ただ、今回のパンフレットでは、ビジョンマップで整理した会社の方向性も反映し、採用の場面でも使えるものを意識しました。

例えば、合同企業説明会で学生に会社のことを紹介するとき。

大学や学校を訪問するとき。

面接や会社説明会で、事業内容を伝えるとき。

そうした場面で、会社がどんな未来を目指しているのかを、一つの資料として伝えられるようにしました。

Webと紙で、伝えることをバラバラにしない

ホームページを見たときには、会社の理念が大切だと書かれている。

でも、会社案内パンフレットでは、まったく違う内容が中心になっている。

SNSでは、また別の雰囲気で情報発信している。

これでは、求職者が会社のことを理解する際に、一貫した印象を持ちにくくなります。

そこで今回は、ビジョンマップを広報全体の共通する土台として活用しました。

ホームページでも、パンフレットでも、SNSでも、会社が目指している方向性が伝わるようにする。

この一貫性が、企業の採用広報では重要だと考えています。

取り組み⑥ YouTubeで「水の仕事」と「働く人」を伝える

会社の方向性を整理し、ホームページやパンフレットの制作を進める中で、SNS広報にも取り組みました。

特に力を入れたのが、YouTubeでの動画発信です。

ここでも、最初に考えたのは、何を撮影すれば再生数が伸びるかということではありません。

エフウォーターマネジメントという会社を知ってもらい、そこで働いてみたいと思ってもらうためには、どんな情報が必要なのか。

その視点から動画の企画を考えていきました。

大きく分けると、仕事の専門性を伝える動画と、働く人の人柄を伝える動画の2つです。

1. 水道の仕組みや仕事の専門性を伝える動画

まず取り組んだのが、水インフラの仕事をわかりやすく紹介する動画です。

例えば、家庭で当たり前に使っている水は、どのような仕組みで届けられているのでしょうか。

上水道や下水道は、どんな役割を果たしているのでしょうか。

その中で、建設コンサルタントは何をしているのでしょうか。

こうした内容を、動画でわかりやすく伝える企画を制作しました。

求職者にとっては、これまで知らなかった業界の仕事を理解するきっかけになります。

また、建設コンサルタントに興味がある学生や、同じ業界で働く人にとっても、専門的な仕事を知るためのコンテンツになります。

会社を宣伝するだけでなく、業界や仕事内容について知りたい人に役立つ情報を発信する。

そうすることで、エフウォーターマネジメントさんを知らない人にも、会社を知ってもらう入口をつくっています。

2. 社員の一日密着で、働くイメージを伝える

もう一つの動画が、社員の一日密着です。

会社の採用情報を見ると、仕事内容について文章で説明されていることは多いと思います。

しかし、実際にどんな一日を過ごしているのかまでは、なかなかわかりません。

朝、出社してからどんな仕事をするのか。

社内ではどんな人たちと関わるのか。

現場ではどんな業務を行っているのか。

そうした様子を、実際の社員を中心に動画で紹介していきました。

特に、20代や30代の求職者にとっては、会社の雰囲気や、一緒に働く人たちの姿が見えることが大切だと考えています。

そのため、一日密着では、仕事の内容だけでなく、働く人自身の人柄が伝わることも意識しました。

3. ショート動画で、人柄や会社の雰囲気を伝える

YouTubeの長尺動画では、専門的な仕事の内容や社員の一日を、ある程度時間をかけて詳しく紹介できます。

一方で、まだ会社を知らない人に興味を持ってもらうためには、短い動画も有効です。

そこで、ショート動画では、水に関連した企画や、流行の動画形式を取り入れたコンテンツなども制作しました。

普段は真面目に専門的な仕事に取り組んでいる社員の方々にも出演していただき、少し親しみやすい一面を見せていく。

そうすることで、建設コンサルタントという仕事に対する堅いイメージを少し変えることも意識しています。

もちろん、面白い動画をつくることだけが目的ではありません。

動画を通して社員の顔や雰囲気を知ってもらい、会社への興味を持ってもらうこと。

そのうえで、採用情報や仕事内容を詳しく知ってもらうことを目指しました。

成果① 広報チームが、自分たちの会社を考える場になった

今回の取り組みで、最初に生まれた成果は、ホームページや動画が完成したことではありません。

社員が集まり、会社のこれからについて考える場ができたことです。

毎月の定例会議を通して、それぞれが自分の考えを発言する。

会社の方向性について話し合う。

出てきた意見を整理し、ビジョンマップとして形にする。

そして、そのビジョンを社内外に伝えていく。

こうした流れをつくることができました。

ここで大切なのは、社員が会社の広報に関わることで、会社のことを自分自身の課題として考える機会が生まれたことです。

例えば、採用広報の企画を考えるときには、自社のどんな部分を魅力として伝えたいのかを話し合います。

その過程では、自分自身が会社のどんな部分に魅力を感じているのかを考えることにもなります。

また、会社のビジョンを考えることは、自分たちが今後どんな仕事に取り組んでいきたいかを考えることにもつながります。

広報チームは、情報を発信するだけの部署ではありません。

会社の魅力を見つけ、これからの会社の方向性を考える場にもなる。

今回の事例は、その可能性を感じられる取り組みになりました。

成果② 新しく入社する人にも、会社の人柄や仕事が伝わるように

今回の採用広報では、ホームページやYouTubeを通して、仕事内容や働いている人たちの姿を伝えてきました。

その中で、新しく入社した若手社員が動画を見ており、会社の人柄や雰囲気を理解したうえで入社しているという変化も生まれています。

従来の採用活動では、求職者が会社について知る機会は、求人票やホームページ、会社説明会、面接などが中心でした。

しかし、動画があれば、応募する前から実際に働いている人たちの姿を見ることができます。

専門的な仕事の内容も、映像を通して知ることができます。

採用面接で初めて会社の人と出会うのではなく、その前に動画を通して会社を知る機会がある。

これは、求職者にとっても企業にとっても、大きな意味があると考えています。

もちろん、採用はSNSだけで決まるものではありません。

給与や福利厚生、働く環境、仕事内容など、さまざまな要素が関係します。

その中で、動画やホームページが、会社を理解するための材料として役立つようになったことは、今回の取り組みの成果の一つです。

成果③ ビジョンマップから、人事評価の仕組みづくりへ

そして、今回の取り組みは、採用広報だけで終わっていません。

現在は、ビジョンマップで整理した会社の方向性をもとに、人事評価の仕組みづくりも進めています。

会社のミッションやビジョンをつくることと、社員の評価制度をつくることは、一見すると別の取り組みに見えるかもしれません。

しかし、私たちは、この2つには大きな関係があると考えています。

例えば、会社が大切にしている価値観がある。

その価値観に沿って行動している社員がいる。

でも、実際の評価では、数字や勤務年数など、別の部分だけが重視されている。

そうすると、せっかくつくった会社のビジョンが、日々の仕事と結びつきにくくなってしまいます。

そこで、会社がどんな人材を育てたいのか、どんな行動を大切にしたいのかということを、人事評価の考え方にもつなげていくことが重要になります。

ビジョンを、日々の行動に落とし込む

例えば、エフウォーターマネジメントさんでは、バリューとして「人・技・安心」という言葉を掲げています。

こうした言葉を、日々の仕事の中でどのように実践していくのか。

社員同士で協力すること。

専門的な技術を磨くこと。

安全で安心できる水環境をつくること。

そうした行動と会社のビジョンが結びついていけば、社員にとっても、自分の仕事が会社の目指す方向性につながっていることを理解しやすくなります。

今回のエフウォーターマネジメントさんでは、そうした考え方をもとに、人事評価の仕組みへと取り組みを広げています。

採用すること。

社員が成長すること。

会社のビジョンを実現していくこと。

これらを別々のものとして考えるのではなく、一つの流れとして整理していくことを目指しています。

エフウォーターマネジメントで取り組んだ内容

今回の取り組みを整理すると、次のようになります。

取り組み実施内容・成果
社員ヒアリング経営層や次世代の中心メンバーに個別ヒアリング
広報チームづくり社員が会社の方向性や広報を考えるチームを組成
月次ミーティング毎月の定例会議を通じて継続的に意見交換
ビジョンマップ制作社員の言葉をもとにミッション・ビジョン・バリューを整理
ホームページビジョンや事業内容、社員紹介、採用情報を発信
会社案内パンフレット採用や会社説明にも使える内容として制作
YouTube運用水の仕事の解説、社員の一日密着などを制作
ショート動画社員の人柄や会社の雰囲気を伝える動画を制作
採用広報新しく入社する人にも、仕事内容や人柄を伝える接点を構築
人事評価制度ビジョンマップをもとに、新たな評価の仕組みを検討・制作中

こうして振り返ると、今回の取り組みは、ホームページやSNSの制作だけにとどまらないことがわかります。

最初に社員の考えを聞くところから始まり、広報チームをつくり、会社のビジョンを整理する。

そして、その考えをホームページや動画で社外に発信し、採用につなげていく。

さらに、人事評価にも広げていく。

広報をきっかけに、会社の中と外の両方を少しずつ変えていく取り組みになっています。

トップダウンから、社員が主体的に動く組織へ

中小企業では、経営者が強いリーダーシップを持ち、さまざまな物事を決めていることも多いと思います。

社長が新しい事業を考える。

社長が採用方針を決める。

社長が会社の広報の方向性を決める。

こうしたトップダウン型の経営には、意思決定を早く進められるというメリットもあります。

ただ、会社が成長し、社員が増えていく中では、経営者一人ですべてを決め続けることが難しくなる場面もあります。

特に、事業承継や次世代の経営幹部の育成を考えるときには、社員自身が会社の課題を考え、行動していける組織づくりも重要になります。

しかし、「これからはボトムアップでやろう」と社長が宣言するだけで、組織がすぐに変わるわけではありません。

それまで経営者の判断で動いてきた社員に、突然「自分たちで考えて」と言っても、何から始めればいいかわからないこともあります。

だからこそ、社員が主体的に考え、意見を出せる具体的な場が必要になります。

「採用広報」は、社員が共通の課題を持ちやすいテーマ

今回のエフウォーターマネジメントさんでは、そのきっかけが採用広報でした。

若手社員が足りない。

これから会社を担う人材を育てたい。

もっと会社の魅力を伝えていきたい。

こうした課題は、経営者だけの問題ではありません。

現場で働く社員にとっても、将来一緒に働く仲間が増えることや、新しい人材が育つことは大切なテーマです。

だからこそ、採用広報は、社員が共通の課題として考えやすい取り組みだと思います。

どんな人に入社してほしいのか。

自分たちの仕事のどこが面白いのか。

会社のどんなところを伝えたいのか。

こうしたことを広報チームで考える中で、自然と会社の未来について話し合う機会が生まれます。

これが、今回の取り組みで大切にしてきたことです。

最初からSNS担当者を一人決める必要はない

これから企業広報を始めたいという会社の方とお話しすると、「誰を担当者にすればいいでしょうか」という相談をいただくことがあります。

もちろん、日々の連絡やSNSの投稿を担当する窓口は必要です。

しかし、最初から一人にすべてを任せてしまうと、その人だけに負担が集中してしまうことがあります。

その担当者が忙しくなると、SNSの更新が止まってしまう。

会社の情報が集まらず、発信する内容がなくなってしまう。

担当者が異動したり退職したりすると、広報そのものが続かなくなってしまう。

そうした状態を避けるためにも、今回のように、複数の社員が関わる広報チームをつくることには意味があります。

例えば、経営層は会社の方向性を示す。

現場の社員は、仕事内容や日々の取り組みを共有する。

若手社員は、求職者に近い視点から、どんな情報が必要かを考える。

総務や採用担当者は、採用活動全体とのつながりを整理する。

そして、しがとせかいが外部の立場から、その内容を広報の企画や制作につなげていく。

こうした役割分担があれば、社員全員がSNSの編集技術を身につけなくても、広報に関わることができます。

大切なのは、社員全員を広報担当者にすることではなく、会社の魅力をみんなで見つけられる状態をつくることです。

広報チームをつくるとき、最初に考えたい5つのステップ

今回のエフウォーターマネジメントさんとの取り組みをもとに、企業が広報チームづくりを始める際に、大切だと考えていることを整理します。

STEP1:経営者と社員、それぞれの考えを聞く

最初に、経営者が会社をどんな方向に進めたいのかを聞く。

そして、社員一人ひとりがどんなことを大切にしているのかを聞く。

いきなり答えを出そうとするのではなく、まずは会社の現状を知ることから始めます。

STEP2:会社の未来を考えるチームをつくる

次に、会社のこれからを考えるメンバーを集めます。

経営者だけでも、若手社員だけでもなく、立場の違う人たちが参加できる形が理想です。

全員の意見が最初から一致している必要はありません。

大切なのは、継続して話し合う機会をつくることです。

STEP3:会社が目指す未来を言葉にする

チームで話し合いながら、会社のミッションやビジョン、バリューを整理していきます。

難しい言葉にする必要はありません。

自分たちの仕事の意味や、これからどんな会社になりたいのかを、自分たちの言葉で説明できることが大切です。

STEP4:ホームページ・パンフレット・SNSで発信する

会社の方向性が見えてきたら、それを社外に伝える広報を進めます。

ホームページでは、会社の考え方や仕事内容をわかりやすく紹介する。

動画では、実際に働いている人や仕事の様子を伝える。

パンフレットでは、会社説明会や採用活動でも使いやすい形にする。

それぞれの媒体を別々に考えるのではなく、同じビジョンを伝えるために活用します。

STEP5:採用だけでなく、社員の成長にもつなげる

最後に、完成したビジョンを日々の仕事でどう活用していくのかを考えます。

例えば、人材育成や人事評価。

社内でのコミュニケーション。

新しい事業への挑戦。

こうした部分にもつなげていくことで、会社のビジョンが単なる言葉ではなく、実際の行動に結びついていきます。

今回のエフウォーターマネジメントさんでは、こうした流れを一つずつ進めながら、採用広報と組織づくりの両方に取り組んできました。

会社の魅力は、社長一人だけでつくるものではない

今回の取り組みは、しがとせかいにとっても特別な意味がありました。

かつて新卒で入社し、約3年間働いていた会社。

その会社に、独立してからもう一度関わる機会をいただきました。

当時は、自分自身が社員として会社の中から仕事を見ていました。

その後、さまざまな企業や自治体の広報に携わるようになり、今度は外部の立場から会社を見るようになりました。

その中で感じるのは、企業の魅力は経営者一人だけが持っているものではないということです。

長年現場で働いてきた社員の知識。

若手社員の新しい視点。

総務や採用担当者が感じている会社の良さ。

日々の仕事の中で当たり前になっている技術や取り組み。

そうしたものを一つずつ見つけ、言葉にし、外に伝えていく。

その過程に、広報の面白さがあると感じています。

今回のエフウォーターマネジメントさんでは、広報チームをつくり、ビジョンマップを制作し、採用広報を進めることで、社員が会社のこれからについて考える機会が生まれました。

そして、その考えを社外に届けるためのホームページや動画も形になりました。

さらに、人事評価の仕組みづくりへと取り組みが広がっています。

採用を強化するために始めた広報が、会社の未来を考えるきっかけにもなった。

それが、今回の事例で伝えたいことです。

滋賀県で採用広報・広報チームづくりをご検討の企業の皆さまへ

しがとせかいでは、滋賀県内の企業を中心に、採用広報や企業広報、SNS運用をお手伝いしています。

ホームページをつくる。

YouTubeやInstagramを運用する。

会社案内パンフレットを制作する。

もちろん、そうした制作業務だけでも対応しています。

しかし、今回のエフウォーターマネジメントさんのように、会社の中から広報の仕組みをつくっていくこともできます。

「これから若手採用を強化したい」

「社長がすべて決めるのではなく、社員が主体的に動く組織にしていきたい」

「広報担当者を一人任命するのではなく、社内でチームをつくりたい」

「社員と一緒にミッションやビジョンを考えたい」

「会社の方向性を整理したうえで、ホームページや採用サイトをつくりたい」

「ビジョンをつくるだけではなく、採用や人材育成、人事評価にもつなげていきたい」

そんな段階からでも、ぜひご相談ください。

最初から明確なビジョンが決まっていなくても大丈夫です。

広報チームがまだなくても、SNSを運用した経験がなくても構いません。

経営者や社員の皆さんへのヒアリングから始めて、会社の魅力や課題を一緒に整理していきます。

そして、必要に応じて広報チームの組成、定例ミーティング、ビジョンマップづくり、ホームページ、パンフレット、SNS広報まで、一貫して伴走します。

採用のための広報から、社員が会社の未来をつくる広報へ。

会社の魅力を社内で見つけ、その魅力を社外に届ける。

そんな、これからの企業広報を一緒につくっていきます。